横浜地方裁判所横須賀支部 平成6年(ワ)278号 判決 1997年11月25日
原告
糸平興産株式会社
右代表者代表取締役
田中雄平
右訴訟代理人弁護士
伊藤茂昭
同
進士肇
同
松田耕治
同
溝口敬人
同
平松重道
同
澤野正明
同
井手慶祐
同
宮田眞
同
岡内真哉
被告
株式会社伊藤興業
右代表者代表取締役
伊藤清
右訴訟代理人弁護士
千賀修一
同
髙城俊郎
同
鈴木仁
右千賀修一訴訟復代理人弁護士
志水三輪子
主文
一 被告は原告に対し、別紙物件目録記載の土地並びに建物及び右土地建物に付属する設備一切を明け渡せ。
二 被告は原告に対し、平成六年一二月八日から右明渡済みまで一か月金四〇〇万円の割合による金員を支払え。
三 原告のその余の請求を棄却する。
四 訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第一 請求
1 主文第一項と同旨
2 被告は原告に対し、平成六年一二月八日から右明渡済みまで一か月金四五一万五〇〇〇円の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
本件は、原告が被告に対し、昭和六一年一二月八日、土地建物及び付属設備一切をゴルフ練習場として期間を五年間と定めて賃貸する旨の契約を締結して、これらを貸し渡し、平成三年一二月八日、期間を三年として合意更新され、平成五年ころから本件土地建物等の明渡を求めるようになったが、被告は応じようとしないとして、右期間経過前に右期間経過をもって本件賃貸借契約は終了するとして、その明渡及び平成六年一二月八日から一か月金四〇〇万円の賃料相当損害金の支払いを求めて本件訴えを提起し、その後、更に契約終了後保証金償却額(消費税を含む)に相当する月額金五一万五〇〇〇円の割合による損害金の請求を追加して請求したのに対し、被告において、第一に、本件賃貸借契約には少なくとも期間を二〇年とする旨の合意があったこと、第二に、本件賃貸借契約には建物の賃貸借が含まれており、借家法の適用があり、原告の明渡請求には正当事由がないこと、第三に、原告の明渡請求は信義に反し、権利の濫用として許されないことを理由として、これを争った事案である。
一 争いのない事実等
1 原告(旧商号「田中鉱業株式会社」)と被告は、昭和六一年一二月八日、別紙物件目録記載の土地及び建物並びに付属設備(以下「本件ゴルフ練習場」という。)について、要旨左記のとおりのゴルフ練習場賃貸借契約を締結し(以下「本件賃貸借契約」という。)、原告は被告に対し、これを貸し渡した。(争いがない)
記
(一) 期間
昭和六一年一二月八日
(二) 賃料
一か月金三〇〇万円
(三) 保証金
金二億二〇〇〇万円
(四) 保証金の償却に関する特約
(三)記載の保証金のうち金一億二〇〇〇万円については、一年について五パーセント(金六〇〇万円)ずつ償却する。
2 本件ゴルフ練習場は、別紙添付図面のとおり、横浜横須賀道路の横須賀インターチェンジの近くに立地しており、二階建て八〇打席の打席部分と一階建てクラブハウスの一体化した建物、全長約二二〇ヤードのフェアウエイ、約八〇台収容の駐車場、横浜横須賀道路との境界を形成する土手部分からなっており、いずれも原告の所有である。(争いがない)
3 本件ゴルフ練習場の賃料は、昭和六四年一月一日から一か月金三三〇万円に、平成三年三月一日から金四〇〇万円に、それぞれ改定された。また、本件賃貸借契約書には期間を昭和六一年一二月八日から五年間とする旨及び期間満了前の一年前までに原告又は被告が相手方に対し何らの意思表示をしないときは契約期間が三年間更新される旨の記載がある(甲一)ところ、本件賃貸借契約は、平成三年一二月八日、更新された。(争いがない)
4 原告は、平成四年八月ころから次回契約更新時(平成六年一二月)における更新拒絶の意思を固め、平成四年八月一八日、被告に対し、平成六年一二月七日をもって契約期間の満了を理由に本件賃貸借契約を終了し、本件ゴルフ練習場の明渡しを求めること、原告は可能であれば平成六年一二月七日以前における本件賃貸借契約の解約を希望しており、その条件も含めて協議を始めたい旨の意思表示をし、その後も、平成五年五月から七月にかけての書面による意見交換、同年一一月六日及び同年一二月三日到達の内容証明郵便による各通知、平成六年二月から三月にかけての代理人間交渉を通じて右意思表示を繰り返したが、被告は原告に対し、一貫して、次回契約更新時(平成六年一二月)の前後を問わず、本件ゴルフ練習場を明け渡す意思が全くないことを示してきた。(争いがない)
5 本件賃貸借契約の平成六年一二月時点における賃料は一か月金四〇〇万円である。(争いがない)
二 争点
1 本件賃貸借契約の期間は二〇年以上か。
2 本件賃貸借契約に借家法が適用されるか。
3 原告の明渡請求は信義に反し権利の濫用として許されないか。
三 争点に対する当事者の主張
1 被告の主張
(一) (本件賃貸借契約期間の合意)
被告は本件ゴルフ練習場の多額の資本を投下しており、これを回収するには長期間が必要であり、また、原告も賃料収入が長期にわたって継続することを望んでいたもので、当事者の合理的意思としては、本件賃貸借契約の期間を二〇年ないし二〇年以上とする合意があったというべきである。
(二) (借家法の適用と正当事由の不存在)
仮に期間を二〇年間とする合意がないとしても、本件ゴルフ練習場の賃貸借契約は、打席部分及びクラブハウスのある建物(以下「本件建物」という。)を含んでおり、本件建物を欠けば営業はできないから、主要な構成部分であり、したがって借家法が適用され、原告には明渡を求める正当事由がないのであるから、原告の更新拒絶は無効である。
(三) (信義則違反、権利の濫用)
仮に借家法の適用がないとしても、本件賃貸借契約は原告が土地建物を提供して賃料収入を得、被告が営業のリスクを負担し営業利益を収受するという共同事業の合意が存するところ、賃料を上回る収益が上げられることを知って本件明渡を請求することは右合意に反するから信義に反し、また、被告が資本を投下したことにより本件ゴルフ練習場の時価は原告の返還保証金額をはるかに上回るものとなり、本件明渡は、この差額を得て利得しようとするものであるから暴利行為であり、したがって、本件明渡は権利の濫用として許されない。
2 原告の主張
(一)(本件賃貸借契約期間の合意について)
本件賃貸借契約の期間は契約書(甲一)記載のとおりであり、期間を二〇年ないし二〇年以上とする合意は成立していない。被告が投下資本を回収するため長期間を予定していたかは知らないが、原告が長期にわたり被告から賃料収入を得ることを望んでいたわけではなく、また、採算が合わないとの意識が原告にあれば契約期間を五年とし、三年ごとに更新することはしないし、双方が長期になることを了解していればその期間を一〇年ないし二〇年とする契約を締結したはずである。
(二) (借家法の適用について)
本件賃貸借契約は土地及び建物を一体のものとしてゴルフ練習場として賃貸するもので、土地の総面積が4.1ヘクタールに及ぶのに対し建物の床面積は0.1ヘクタールにも及ばないのであり、また建物だけではゴルフ練習場としての営業は不可能であるから、土地から建物だけを切り離して借家法の適用があるとするのは論理の飛躍である。
(三) (信義則違反、権利の濫用について)
原告は、本件賃料に満足しておらず、また、原告は造成、建設工事費用が当初の一億円ではできず、これを二億二〇〇〇万円に増額することは受け入れたが、四億円もの費用がかかるとは聞いておらず、もしそうならそれは被告の見込み違いに過ぎない。また、そのためにゴルフ練習場の地価が上昇したからといって、暴利行為であるということはできない。
第三 当裁判所の判断
一 争点1(本件賃貸借契約期間の合意)について
1 本件争点に関して次の事実が認められる。
(一) 原告と被告とは、本件賃貸借契約に先立ち、昭和六一年一月、予約契約を締結した(甲三の一)が、その要旨は、被告は、本件ゴルフ練習場の建設資金総額を一億円を限度とし、開発許可を取得したうえ、設計、施工をする、原告は完成したゴルフ練習場の建物、施設を原告の所有とし、被告に賃貸する、被告は本件ゴルフ練習場の賃貸借の保証金として原告に対し金一億円を預託する、契約期間は当初は五年間とし、その後は三年ずつ更新するというもので、原告が被告に支払うべき本件ゴルフ練習場の開発、建設の請負代金と被告が原告に預託すべき保証金額を同額とすることにより、相互に金銭の授受をしないものとする趣旨であった。(争いがない)
(二) 被告は、昭和六一年八月一日、本件ゴルフ練習場の開発行為の許可を取得し、同年一〇月一六日本件ゴルフ練習場の建築確認を申請し、更にゴルフ練習場の開発に必要な許可を取得し、設備の仕様を当初の計画よりも高級なものとして費用を見積もらせた結果、自動玉出し機械のリース料、ボール代、看板工事費用なども含めて総額四億円を超えることが被告に判明した。(乙四、乙七ないし二〇、乙三〇)
(三) そこで、被告は、原告に対し、本件保証金の金額の増額を申し入れ、協議の結果、保証金額を金二億二〇〇〇万円に増額するとともに当初の金一億円を超える金一億二〇〇〇万円については賃貸借期間一年について、その五パーセント相当額である金六〇〇万円の償却をすること、被告の保証金返還請求権については質権を設定することなどについて合意をし、その旨の覚書(甲三の五)を締結し、これに基づいて本件賃貸借契約が成立した。(争いがない)
2 ところで被告は、本件ゴルフ練習場を開発し開設するまでに要する費用総額が金四億円を超えるものであることは原告も知っており、その投下資本の回収のためには二〇年以上の期間が必要であることは原告も認識しており、工事総額が二億二〇〇〇万円であることや期間を五年とし、三年毎に更新するという記載はメーキングであり、原告の担当者である小坂常務は、いつまでも借りていてよい旨を話していたと主張し、被告代表者本人の供述には、これにそう部分がある。そして本件経緯によれば、原告は、本件賃貸借契約締結の時点では、被告が考えている本件工事の総額が二億二〇〇〇万円以上かかることはある程度認識することができたことは推測できるものの、その金額が金四億円を超えることを確実に認識し、また、その投下資本の回収に二〇年の歳月を必要とすると認識していた事実までは認めることができず、右小坂は、いつまでも被告が借りてよい旨の発言をしたとの事実についてはこれを否定している(証人小坂)ことなどを考えると、本件賃貸借契約書に記載された期間及び更新の定めが拘束力のないもので、当事者間には二〇年ないし二〇年を超える期間賃貸借を継続する旨の合意があったものと認めることはできない。
二 争点2(借家法の適用)について
1 本件争点について次の事実を認めることができる。
(一) 本件ゴルフ練習場は、神奈川県三浦郡葉山町木古場及び神奈川県横須賀市山中町にまたがる市街化調整区域内(甲六)の土地約一二六〇〇坪(乙一三)で、原告又は原告の関連会社が所有又は賃借していた土地(甲二の一ないし二三、乙二)であり、原告の関連会社である田中開発株式会社が石切場として営業していた場所について、被告が葉山ゴルフ練習場として開発申請をし、その許可を得たものである。(甲六)
(二) 本件ゴルフ練習場には、クラブハウス及び練習打席として建築された建物(以下「本件建物」という。)がある。本件建物の床面積は一階九六八平米、二階七一七平米であり、昭和六一年一〇月一六日、被告を建築主として建築確認がされたもので、宅造規制区域内、市街化調整区域、近郊緑地保全区域に指定されており、開発許可、林地開発許可、近郊緑地行為、制限解除許可を済ませたうえで建築確認が認められた建物であり、平成四年二月一二日、種目 練習場、構造 鉄骨造亜鉛メツキ鋼板葺二階建、床面積 一階958.16平米、二階728.26平米として、原告が保存登記を経由している(甲二の二三、乙一〇の一)。
(三) 本件ゴルフ練習場の平成七年時点での固定資産税評価額は、全体で七億三八一九万八五一八円であり、そのうち本件建物は六三九九万七一〇八円である。また平成八年六月時点の本件ゴルフ練習場の地価は金一六億九九五六万六〇〇〇円であり、本件建物の価格は金一億一四四〇万二〇〇〇円である。(乙二、三の一ないし七、鑑定の結果)
2 以上の事実によれば、本件建物は市街化調整区域において開発許可を受けて設置されたゴルフ練習場の施設の一部を形成するもので、ゴルフ練習に必要なクラブハウス及び練習打席が設けられているが、本件ゴルフ練習場と一体をなしているもので、本件建物だけで独立して使用価値及び交換価値を有するものとは認められず、また、本件ゴルフ練習場は約四万一〇〇〇平米の地積を有するのに対し、本件建物の床面積(建坪)は、千平米に満たず、本件ゴルフ練習場が本件建物の敷地であるとは認められず、そうすると、本件建物を本件ゴルフ練習場全体から切り離して借家法の適用があると解することはできず、また、本件建物を本件ゴルフ練習場と一体のものとして借家法の適用があると解することも困難であり、したがって、本件建物及び本件ゴルフ練習場には借家法の適用がないものと解さざるを得ない。
三 争点3(信義則違反、権利の濫用)について
1 本件争点に関して、更に次の事実が認められる。
(一) 原告(証拠上は田中開発株式会社)は、従前、本件ゴルフ練習場の敷地である土地(以下「本件土地」という。)を、採石及び砕石場として利用していたものであるが、行政庁との約束で、同所における採石事業が終了した時は同所を覆土植林する必要に迫られていた。そこで原告は、覆土植林に代えて、本件土地をゴルフ練習場として活用することを企画し、自らゴルフ練習場等の開発をすることを試み、その後、第三者にゴルフ練習場の開発をさせ、これを賃貸することを考えた。(争いがない)
(二) 被告は、右の話を聞いて、昭和六〇年夏ころから、原告と交渉を始め、併せて開発許可を取得するための行政庁との交渉をし、開発行為許可取得が確実となったことから、本件ゴルフ練習場の賃貸借予約契約を締結した。(乙四)
(三) 被告は、本件ゴルフ練習場の建設及び開業に当たっての広告費用などを含め総額約四億七〇〇〇万円の支出をした。(甲四、乙五の一、二、乙六の一ないし六)
(四) 本件ゴルフ練習場が現存する場合の本件土地建物の時価は約一七億円であり、本件ゴルフ練習場が開設される前の状態での時価は約一一億六〇〇〇万円であり、本件建物及び付属設備の時価は約二億円、本件ゴルフ練習場の適正賃料月額は約四五〇万円(保証金の運用益、償却額を控除した後の金額)である。(鑑定の結果)
2 そこで検討すると、まず被告は、本件賃貸借契約は原告が土地建物を提供して賃料収入を得、被告が営業のリスクを負担し営業利益を収受するという共同事業の合意が存すると主張するのであるが、賃貸借契約であるから、当然、原告は賃貸人として賃料を収受し、被告は賃借人として営業のリスクを負担し、営業利益を収受する立場であることはそのとおりであるが、これが未来永劫において継続すべき関係として了解された共同事業であると認めるに足りる証拠はない。したがって、賃貸借契約期間が経過した時点において、賃料を上回る収益が上げられることを知って本件明渡を請求することが直ちに信義に反し、権利の濫用であると言うことはできない。また、被告は、被告が資本を投下したことにより本件ゴルフ練習場の時価は原告の返還保証金額をはるかに上回るものとなり、本件明渡は、この差額を得て利得しようとするものであるから暴利行為であると主張するのであるが、確かに、前記認定のとおり、本件土地は市街化調整区域内の土地で、採石事業が終了すれば覆土植林が予定されていた場所で、被告がゴルフ練習場として開発許可を取得し、多額の資本を投下することにより、その資産価値が向上したもので、現在の時点で明渡を認めれば、被告は投下資本を回収できずに損害を被り、他方、原告は本件ゴルフ練習場がない場合と比較して五億円程度の利益を得る結果となり、未償却の保証金を返還するとしても、なお、相当多額の利益を得ることになり、その結果を見る限りでは、原告は被告の資本投下、開発行為及びその後の企業努力により増大した本件土地建物の資産価値を取得することになるのであるから、暴利行為と評価することが可能である。しかしながら、本件契約締結時点では、本件ゴルフ練習場開発が成功するか否かは明確ではなく、もし失敗していれば、原告は五年後には、被告から更新を拒絶され、その時点で本件土地建物の時価がどのように低額に評価される状態にあったとしても、二億二〇〇〇万円から償却した金三〇〇〇万円を控除した残額金一億九〇〇〇万円を被告に返還しなければならない結果となっていたことが推測され、また、もし、契約期間が二〇年であったとすれば、原告は二〇年後に一億円を返還すれば足りるのに対し、被告は、その間、営業収益を上げることができなくても当初の合意賃料月額金三〇〇万円以上の賃料の支払いを継続せざるを得なくなるのであり、双方がそうしたリスクの負担を予想できる状況下で、その期間を五年とし更に三年毎の更新という定めをした経緯が認められること及び原告も本件土地のうち賃借地の底地部分を取得して本件ゴルフ練習場の資産価値の増大の一因を形成していること(鑑定の結果)などに鑑みると、原告が本件賃貸借契約期間が経過し、一度、更新をし、次の更新の時点で、その更新を拒絶したことにより、被告において十分な投下資本の回収ができず、その半面、原告が多くの利益を得るに至ったとしても、これをもって信義に反し、権利の濫用であって、明渡請求自体ができなくなるとまでは言えないと解さざるを得ない。
四 以上によれば、被告は、原告に対し、本件ゴルフ練習場を明渡し、かつ、契約が終了した日の翌日である平成六年一二月八日から右明渡し済みまで一か月金四〇〇万円の賃料相当損害金の支払義務のあると言わねばならないが、原告は更に償却金相当額の損害を請求しているので、この点について検討すると、その主張は、原告は、本件契約終了により、保証金返還義務が生じ、その後は、約定の年間金六〇〇万円の割合による保証金の償却ができなくなるから、右金額及び消費税相当額の取得ができなくなるという損害を被っているという趣旨に理解されるが、そもそも保証金の償却を契約終了時までと定めれば終了時までとなり、本件ゴルフ練習場の明渡時と定めれば明渡時となるのであり、保証金の償却を契約終了時までと定めながら明渡時までの償却金相当額を請求できる根拠は明らかではなく、また、明渡時まで年六〇〇万円の割合による保証金の償却はできると解釈すれば、明渡時に保証金の償却をした上で被告にこれを返還すれば足りることであり、被告が保証金の返還を請求していない本件においては、保証金の償却金相当額の支払義務があるものとは認められない。
なお、本件事案に鑑みると、仮執行宣言を付することは相当ではないので、これを付さないこととする。
(裁判官大塚正之)
別紙<省略>